マンガ制作
12ページまで通した。そこから、直しどころが見えた。
原作を脚色し、ネーム、作画、写植、通読へ。第1話の試作と、ポーズの検証、作者が不合格と判断した理由を見せます。
要点をスライドで見る
原作第1話から、12ページの試作へ。
2026年9月20日、原作第1話を、12ページ・52コマのマンガとして通しで出力しました。9月21日の作者の通読で、話者の取り違え、席の位置、退出の演技など6か所の欠陥が見つかり、不合格と判断しました。
さらに、参照していたLoRAが古い版で、伊宮の人物説明も「黒髪」と誤っていました。ここでは展示時に指摘がなかった1〜3ページを見せています。作品全体が完成したという扱いではありません。
台詞・コマ・読む順を決めてから、描く。
小説の文章をそのままコマに置くのではなく、まず12ページへの脚色と、コマ割り・台詞・読順を決めるネームを作りました。ネームの後に作画の計画、生成、選定、写植をつなぎます。
この回は生成137枚から52コマを採用し、吹き出しと文字を置いて通読へ進めました。文章側の工程はGPT-5.6 Sol、作画はDGX Spark上のローカル生成で実行した記録です。
脚色とネーム
小説をページに割り、何を絵で見せ、どの台詞を残すかを決める。
作画と選定
人物・場所・小物・画風を揃え、候補を生成してコマとして採る。
写植と通読
吹き出しと文字を配置し、ページを連続して読んで成立を判定する。
顔は追加学習、ポーズは骨格図。
2026年8月28日の別の検証では、人物のLoRAに加え、ポーズを骨格図で指定するPose LLLiteを試しました。同じシードで骨格なし/ありを比べ、全身が入ったのは4回中1回から4回中4回へ変わりました。
一方、背景の奥行きが下がり、当時の高瀬は採用デザインと違う衣装で出ています。このLoRAは、後に使うのをやめています。この骨格入力は、9月20日の12ページ通し出力にはまだ組み込んでいません。
ポーズ検証の条件と、3つの判定
Anima系モデル、人物LoRA、Anima Pose LLLite(強度1.5)を使用。合格候補からDWPoseで骨格を抜き出し、骨格図を点検して入力しています。
判定は「同じ人物か」「場所・服・ポーズ・相手を壊していないか」「一コマとして読めるか」。崩れた箇所だけの修正にはinpainting LLLiteを使いました。数回の限定条件の結果で、広い場面での安定性はまだ示していません。
工程がつながることと、読める作品になること。
制作の仕組みは、原作の取り込みから配信までを14工程に分けています。2026年9月5日時点の工程表では、人物・場所・小物・画風の設計、作画、配置・部分修正は「一部だけ動く」、ほかは「限定的に動く」と記録していました。
通し出力で見つかった欠陥を、参照する人物資産、ネーム、作画、連続性の点検のどこへ戻すかが課題です。確認できたポーズ制御を本番へ移すことも、展示時点では次の段階でした。
9月15日:限定運用で、工程の往復を確かめた
9月5日の状態表の後、限定した入力で、原作と採用素材の確認から、脚色・ネーム、作画と修正、ページとPDFまでを一つの経路で往復できることを確かめました。人が画面で文字の配置を調整して保存した後も、そのまま通常のPNG・PDF出力へ進めます。
14工程では、前の工程の入力と判断を次へ渡し、計画・ネーム・候補・ページを出力します。人が原作との整合、人物・場面、読順、可読性を見て、欠陥があれば原作の読解、脚色、人物資産、作画、配置、連続性の点検のうち原因に近い場所へ返します。工程がつながっても、作品の品質や作者の合格が自動で保証されるわけではありません。
14工程の受け渡しを読む
制作の工程図を、各段階で受け取るもの・残すもの・確認することに分けて整理しました。すべての工程が自動で動くことや、どんな原作でも品質を満たすことを示す表ではありません。
| 工程 | 受け取るもの | 残すもの | 確認と戻り先 |
|---|---|---|---|
| 原作の取り込み・出典管理 | 原作と採用素材 | 出典・用途・現在の入力 | 正本と利用条件を確認し、入力準備へ戻す |
| 作品企画・編集方針 | 作品の意図と制約 | 編集方針と候補 | 作者の意図を確認し、方針へ戻す |
| 原作読解 | 原作と出典 | 人物・場面と引用、追加演出の区別 | 意味のずれは読解・脚色へ戻す |
| 脚色・章構成 | 読解と編集方針 | 脚色案・章の流れ・ページの見通し | 意味や省略の問題は読解・編集へ戻す |
| ページ・見開き設計 | 脚色とページの条件 | ページ型とコマの約束 | 容量や見せ方の問題は脚色へ戻す |
| 描けるラフネーム | ページ設計と台詞 | コマ、台詞、読順のラフ | 読順や必要情報の不足は設計・脚色へ戻す |
| 人物・場所・小物・画風の設計 | ネームと採用素材 | 場面ごとの参照と採用方針 | 外観・動作の不一致は素材設計へ戻す |
| 生成の指示・レシピ | ネーム、参照、過去の所見 | 生成条件と必要な入力 | 必要な材料が足りなければ設計・ネームへ戻す |
| 作画 | 生成条件と参照 | 候補画像 | 人物・場面・動作を確認し、指示・参照へ戻す |
| 選定・描き直し | 候補画像と所見 | 採否、再計画、再利用の判断 | 未達の理由を残し、作画・指示へ戻す |
| 配置・部分修正 | 採用画像とページの約束 | 配置、合成、限定修理 | つながりや構図の問題は作画・設計へ戻す |
| 写植・吹き出し・効果音 | 台詞とページ | 文字配置とページ出力 | 可読性や読順はネーム・配置へ戻す |
| つながりの評価・作者の判断 | 連続したページ | 所見と作者の判断 | 人物、因果、読順の問題を原因の工程へ戻す |
| 入稿・配信 | 確認済みのページ | 配布用のページデータ | 順序・出力条件を確認し、写植・配置へ戻す |
この確認で言える範囲
この時点で確認したのは、人の仕上げを含む限定運用の技術的な経路です。固定した少数の場面と複数の入力で、ネーム、作画、修正、連続ページの点検、出力と戻りを確かめましたが、広い入力で安定して成功することは示していません。
人物の外見と動きを同時に保つこと、難しいリアクションの動き、全工程の費用削減は、まだ達成も実証もできていません。9月20日の12ページ試作が作者の通読で不合格となった事実も、この技術的な接続確認によって変わりません。
14工程を見る(2026年9月の工程表)
計画は2026年9月6日改訂、状態の記録は9月5日です。実装の状態と、個々の作品の合否は別に扱います。
| 工程 | 状態 |
|---|---|
| 原作の取り込み・出典管理 | 限定的に動く |
| 作品の企画・編集方針 | 限定的に動く |
| 原作の読解 | 限定的に動く |
| 脚色・章の構成 | 限定的に動く |
| ページ・見開きの設計 | 限定的に動く |
| 描けるラフネーム | 限定的に動く |
| 人物・場所・小物・画風の設計 | 一部だけ動く |
| 生成の指示・レシピ | 限定的に動く |
| 作画 | 一部だけ動く |
| 選定・描き直し | 限定的に動く |
| 配置・部分修正 | 一部だけ動く |
| 写植・吹き出し・効果音 | 限定的に動く |
| つながりの評価・作者の判断 | 限定的に動く |
| 入稿・配信 | 限定的に動く |
2026年9月23日の生成AIなんでも展示会 Vol.6の資料と、前後の制作記録をまとめています。制作や検証の時点は、各説明に記しています。
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