キャラクターデザイン
小説の中の人物を、絵の基準にする。
人物設定と登場場面を集め、描くためのブリーフに整理する。候補から選んだ姿を基準画にし、ほかの場面でも同じ人物として使うまで。
要点をスライドで見る
描く前に、設定と登場場面を集める。
出発点は小説の人物設定と本文です。2026年6月8日の伊宮・高瀬の収集ブリーフでは、設定資料78件と原稿6件を対象にした分析結果を参照し、二人の設定と登場場面を整理していました。
人物の経歴や役割だけでなく、どの場面で何を言い、どう振る舞うかを拾います。そのうえで、姿勢、目元、服、小物など、絵にしたときに人物を読み取れる要素へまとめます。
本文や設定の事実と、画像化のための方針は分けています。ブリーフに書いた候補が、そのまま採用デザインになるわけではありません。
| 集めるもの | 画像化へ向けた整理 |
|---|---|
| 人物設定・関係 | 伊宮と高瀬の役割、二人の補完関係を整理する |
| 登場場面・振る舞い | 伊宮が論点を分け、高瀬が手帳に書き留める場面を拾う |
| 絵にする方針 | 伊宮は省エネの姿勢、高瀬は直立と手帳・ペンという対比を置く |
言葉の人物像を、描くための資料にする。
収集した情報を、何を描くか、何を守るか、どう見せるかの短い資料にまとめます。これがブリーフです。画像生成に渡す指示も保存し、どの資料からその候補を作ったかを残します。
6月のブリーフでは、伊宮の「ゆるいが、論点が乱れると口を出す」面を、少し肩の落ちた姿勢と鋭い目元へ。高瀬の実務の精密さを、直立する姿、手帳、ペンへ落とす方針を置きました。これは当時のデザイン方針で、原作に未記載の外見まで既定の事実として扱うものではありません。
伊宮は「斜め・少し崩れ」、高瀬は「縦・整然」。
2026年6月8日 キャラクターデザイン収集ブリーフの二人の対比方針より
資料の来歴を残す理由
伊宮の採用基準画には、市の設定、伊宮の人物設計、サイドFIREの経済設定への参照が記録されています。高瀬の追加候補には、人物設定と関係、採用済み基準画への参照が残っています。
候補と採用済みを区別して保存し、あとから同じ人物を描くときは採用した基準を使います。候補を作ることと、小説の設定を変更することは別の操作です。
候補を並べ、作者が基準画を選ぶ。
実際の基準画制作は、ChatGPT/Codexの画像生成でデザインシートや候補を出し、作者が選ぶ形で進めました。高瀬は5色から1色、伊宮は候補A〜DからDを採用しています。
採用部分を切り出し、画像台帳に基準画(アンカー)として登録。ほかの人物は高瀬の画風に合わせ、主要17人を揃えました。以下は候補を含むデザインシートと、採用した基準画です。
同じ人物を、別の場面でも描く。
マンガ用のローカル生成では、人物ごとの追加学習であるLoRAを使いました。人が選んだ数枚の基準画からAIが教材候補を作り、基準画と照合して選び、学習後の画像を比較します。
画像ライブラリでは、採用画、衣装差し替え候補、学習セットの関係も記録します。顔だけでなく、服・髪・小物まで含めて同じ人物に見えるかを確かめます。
追加学習の失敗と作り直し
伊宮では生成96枚からAIが31枚を選び、3,100ステップで学習しました。前の版に不要な描写が混ざったことは、学習後の比較で発覚し、入れ替えました。
高瀬の1版目は40枚から38枚を選びましたが、教材が採用デザインと違っていたため、使うのをやめました。2版目は、採用基準画2枚の切り抜きと左右反転による12枚を使い、600ステップで学習しました。
2026年9月の画像ライブラリでは15枚を学習に採用しましたが、旧版と新版の比較について残した結論は「改善は未証明」です。教材を選ぶAIの判定自体も、比較で確かめる必要がありました。
教材を選ぶAIの判定も、比較する
高瀬の2版目は、採用基準画2枚を切り抜き・左右反転した12枚だけを教材にし、600ステップで学習しました。当時の厳格な判定では4場面中3場面が通っています。この条件の結果を、あらゆる場面で本人らしく描けるという保証にはしません。
9月の画像ライブラリでは、主担当AIと独立したAIが候補を判定し、判断が割れた画像は不採用にしました。作者は数件について「同じ人物として許容するか」を回答しています。15枚を教材に採用したことと、学習後に改善したことを分け、旧版との比較の結論は「改善は未証明」と残しています。
基準画からマンガへ、場面アニメへ。
採用した人物画像は、マンガの作画や場面アニメの参照に使います。ただし、基準画を揃えたことと、どの場面でも安定して描けることは同じではありません。誤ったLoRAの参照や、衣装が変わる問題は制作の記録に残っています。
作者のアバター「つむぐ」は別の制作経路です。三面図や表情シートから3DやPNGTuberへ広げた例は、アバターのページにまとめています。
画像生成を制作へつなぐ5段階(2026年8月の設計)
会場の詳しい説明では、画像を一枚生成する前後にも工程を置いていました。企画→人物→場面づくり→選抜・修復→成果の取りまとめという本線と、条件の記録・人間の採用判断・評価の見直しを支える側に分けた設計です。
次の表はその構造を公開向けに整理したものです。すべての工程で作品が完成したという実績表ではありません。別の構図やモデルへ過去の成功率をそのまま持ち込まず、人物の採用と作品としての採用は作者が判断します。
| 段階 | 確認すること |
|---|---|
| 企画 | 誰を、どんな場面で描くかを決める |
| 人物 | 設定・登場場面と、採用した基準画を揃える |
| 場面づくり | 構図・動き・衣装・小物の条件を渡す |
| 選抜・修復 | 基準と照合し、不採用や局所修正を選ぶ |
| 成果の取りまとめ | 採用画像と来歴、用途に必要な形式を整理する |
2026年9月23日の生成AIなんでも展示会 Vol.6の資料と、前後の制作記録をまとめています。制作や検証の時点は、各説明に記しています。
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