TSUZUKEEP
いつものAIと、次の一話へ。
自分用の執筆システムから、ほかの書き手も使える仕組みへ。素材を選び、書き、点検し、続きを引き継ぐ流れを紹介します。
要点をスライドで見る
書きたいのは続きなのに、また説明と手直し。
文章はうまい。でも、続きとしておかしい。前に直した設定をまた間違える。一箇所の修正で、残したい文章まで変わる。こうした長編の問題を、資料の選択と作業状態の保存で扱う仕組みです。
自作の執筆システムは、作者が手元PCのClaude Codeで運用していました。TSUZUKEEPは、利用者が契約して接続したClaudeやChatGPTから、自分の作品を進める形へ作り直しています。展示時点では開発中です。
素材、プロット、下書き、点検結果を保存し、新しい会話でも途中から再開できます。文体などの書き方は「レシピ」として引き継ぎ、AIの案を確定本文や設定へ反映するかは作者が選びます。
文章を考えて書くのは、接続した利用者のAIです。TSUZUKEEPは、そのAIが作品の資料や保存済みの作業を読み、提案を残し、作者が採用するまでの流れを支えます。
一話ごとに、集めて、書いて、確定する。
会話でこの話の目的を伝え、必要な資料を確認してから進みます。設定と過去話を保持したまま、今回使う素材を絞ります。
この話の目的を伝える
起こすこと、必ず使う情報、今回は使わない情報を伝える。
素材とプロットを選ぶ
AIが設定・過去話を探し、素材案と場面の順番を提案。採用するのは作者。
本文案を書き、点検する
設定や過去話と照らし、引用と根拠を添えて指摘を残す。
直す箇所を選び、確定する
必要な箇所だけ修正案を受け取り、使う本文を決める。
次の話へ引き継ぐ
確定本文を次の素材にし、新しく決まった設定は追加案として作者が選ぶ。
レシピは、一話の中でどう使うか
レシピは文体の一言指定だけでなく、資料を選ぶ、設計する、書く、点検する工程ごとに渡す手順や基準をまとめる考え方です。初稿の書き方と、レビューで見ることを分け、必要な段階で使います。
次の表は2026年8月の前身の設計を整理したものです。特定モデルの設定や内部実装を、そのままサービスの既定値として公開するものではありません。
| 工程 | 受け取るもの | 残すもの |
|---|---|---|
| 資料選び | 今回の目的・確定設定・過去話 | 採用素材、出典、使わない情報 |
| 設計 | 採用素材と場面設計の手順 | 視点・場面・到達点の案 |
| 執筆 | 承認した設計と書き方の基準 | 下書き |
| 点検・修正 | 下書き、参照資料、点検基準 | 根拠付きの指摘、修正案、作者の裁定 |
設定を変えたら、前の素材をそのまま使わない
素材は、どの設定・過去話をもとに選んだかと一緒に保存します。元の情報を直した後は、古い素材や設計をそのまま続きを書く根拠にしないよう、影響する箇所を見直します。
資料の集め直し、設計のやり直し、本文の局所修正は、戻る工程が違います。途中の成果を残し、どこから再開するかを明示することで、新しい会話でも一話の作業を引き継げるようにしています。
前身の実績と、開発中の実機。
前身の個人システムでは、2026年8月5日に第21話を制作しました。実家に立ち寄り、父にダンジョンへ入ったかを聞かれ、帰りに高瀬と会う回です。家族の設定、時期、伊宮の語り口と、使わない旧設定を素材に整理しました。
点検では、原稿の「市民生活課」が設定の組織図にない部署だと分かり、「市民課」へ修正しました。素材を集めるだけでなく、本文での取り違えまで確かめた例です。
下の画像は2026年9月19日の開発環境で、合成テスト作品を使った実機の会話です。公式サイトの説明用の作例や、前身の第21話の記録とは区別して見せています。
説明用の作例:素材を選び直す会話
公式サイトの作例では、「第12話。商店街で幼なじみの母親に呼び止められる場面から。第9話の約束は必ず使って」と頼みます。AIが第9話の原稿、人物設定、商店街の設定を候補にまとめ、町の年表は今回は使わないと提案します。
作者が「年表も入れて。第9話から何か月後か分かるように」と修正すると、該当箇所を足した素材案を保存し直します。これは説明用に組んだ会話で、実際の利用ログではありません。
その後の点検では、「店は去年、駅前に移った」が既存の設定・第9話にないことと、「胸の奥がざわざわする」が表現の基準に当たることを指摘します。作者は、店の移転はこの話で初めて出す意図した変更として残し、表現だけを直すと決めます。
表現の修正案は「スマホを持つ手に、変に力が入っていた。」。作者が反映を選びます。店の移転は、本文を確定した後に設定への追加案として別に扱います。指摘されたことと、作品から削ることは同じではありません。
会話全体は公式サイト向けに組んだ説明用の作例です。変更前後の文は前身の個人システムの修正記録を使っていますが、この第12話の会話を実機の利用ログとして示しているわけではありません。
つなぎ方と、情報の確定。
展示したClaudeの接続手順は、接続先を確認する→Claudeへ追加する→接続を許可する→Skillを導入する→会話で確認する、の5段階でした。2026年9月19日の開発環境の記録です。
新しい会話で現在地を読み直すことと、本文や設定を書き換えることを分けています。確定した情報の変更は、作者が採否を決めます。現在の提供状態や接続方法は製品サイトで案内しています。
2026年9月23日の生成AIなんでも展示会 Vol.6の資料と、前後の制作記録をまとめています。制作や検証の時点は、各説明に記しています。
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